「ではコチラの書類に必要事項を記入してください」

　ドフスへの入国は簡単な書類の作成で済む。
私は職業欄に”コック”を探したがなかった。

　ドフスでは”基本職”をひとつ、それと”採取職”と”製造職”から３つの職業、
合計4つの職業を選択できる。
コックという職業はないが、”製造職”にあたる”肉屋”になろうと決めた。
製造職は実際に入国してから就職するらしい。
今は基本職を決めなければならない。

　私は基本職リストの中から、ある職業に目が留まった。








「爆弾使い・・・・・・・・」

あの日の悪夢が蘇る。

「この職業は・・？」
入国管理局の女性に質問してみる。
「はいｗ最近実装された職業なんですよｗ
ただ、爆弾を使うということしかわからないというか・・・、
まだどういった職業なのか、私共も把握しきれておりませんでして・・・ｗ」
「なるほど・・・・」

私は”策士”と呼ばれるこの職に就くことにした。

ボンバー。

あいつの事が少しはわかるかもしれないと思っていた。

復讐。

そのつもりがあったのかどうなのか。
私にもよくわからない。
ただ、この職業に就くことでしか、過去と向き合えない気がしていた。


「ではこれで入国審査は終わりですｗ素晴らしいドフスライフをお楽しみ下さいｗ」


　私の新しい人生が、今始ろうとしていた。

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