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2012 03,14 15:22 |
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「で、仲間は右腕右足を奪われ、お前は無様に這いつくばって、
師匠~助けてくださいぃ~ってか?バカなの?死ぬの?つか死ねよお前」 巨大な切り株の上に胡坐をかいている長身のエルフが、 その下で正座するブラーニンに罵声を浴びせていた。 「・・・もうしわけない・・・です・・・」 「で?なに?何しにきたの?まさか『奥義を教えてくださいぃ~』じゃねえだろうな?」 「・・・・・」 「図星かよ・・・。情けねぇ・・・・・・・」 長身のエルフは頭を抱えた。 「・・・しかし師匠、相手はイサを使いこなしているんです。 何か特別な術式があるはずです」 「・・・ねえよんなもん」 長身のエルフは立ち上がり、演説をするかのように話し出した。 「いいかね諸君!ルーンとは古の文字である! 森羅万象全ての象徴!精神の雫!!一切の感情に支配されない! 独立した存在である!!!!」 「・・・・」 「以上だ」 「・・・いや・・そんなことは知っています・・」 「これが奥義であり、基本であるってことだよ。バカなの?死ぬの?」 「・・・・・・・わかりません・・・」 エルフは胡坐をかきなおし、呆れ顔で続けた。 「・・お前のルーンには感情が練りこまれている。それは正しくもある。 だが、真の魔術師はルーンを純粋なまま使用する。 そうしなければ、ルーンの真の力は引き出せないからだ」 「・・純粋なまま・・・」 「そいつの胸に埋め込まれていた機械。 機械だから感情を持たない。だからこそ、イサのエネルギーを使いこなせたんだろう」 「・・・・・・・なるほど・・」 「そして、イサに勝つにはイサしかない。 お前は生身のままで、イサをコントロールできなければ、 そいつには勝てんだろうな」 「・・はい・・」 「そして!そんなもんに奥義もクソもねえ。 日々の訓練を続けて、感情のコントロールが出来なきゃムリ。 イサはおろか、どんなルーンも使いこなせねえよ」 「・・・・・」 ブラーニンは自分の力を過信していた。 世界一の占術師と囃し立てられ、調子に乗っていたのかもしれないと思った。 長身のエルフが立ち上がり、下を向くブラーニンに声をかける。 「ルーンの奥義はねえが。オレ様のとっておきの訓練ならある。 死ぬかもしれんが、やるか?」 ブラーニンは黙って立ち上がり、うなずいた。 それは鉄の棺おけのような機械だった。 四方にルーンが刻まれており、中には透明の液体が注ぎこまれている。 「この中に入れ。一週間後迎えに来る」 「・・息ができないんじゃ・・・・?」 「大丈夫だ。これは水じゃない。酸素だ。いいからさっさと入れ」 ブラーニンは中に入った。 恐る恐る呼吸してみると、まるで空気を吸っているかのように、 違和感なく呼吸ができる。 「お前はこれから、己の感情と戦うことになる。負ければ死ぬが、 勝てば全ての感情はお前に従うだろう。じゃあな、あばよクソ弟子」 長身のエルフが蓋を閉める。 「・・・・死ぬなよクソ弟子」 長身のエルフはその場を立ち去った。 音も光も五感さえない世界。 外的刺激がない空間においては、内的刺激が膨張される。 ブラーニンは、巨大に膨らむ己の感情と向き合い始めていた。 恐怖や憎悪は一番にやってきた。 そしてブラーニンを簡単に飲み込んだ。 棺の中でブラーニンは絶叫し、のた打ち回った。 棺を殴りつけるその手は血で赤く染まった。 PR |
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