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2012 02,29 18:58 |
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「オイクラマァ。この調味料ってさ、どこで手に入れた?」
「ポックリ・・・秘伝を簡単に教えられるかよw」 「ふーん。新作のこの服、1着余ってるんだけどなー」 「・・・・・わかった・・・。交換なw」 「クラマ、腰をもっと落とせ。そんなんじゃ固い敵に切りかかったら刀折れちまうぞ?」 「おっす!」 「クラマ!誕生日おめでとう!こりゃあ俺たちからのプレゼントだ」 「これは・・・。こんな高い包丁・・・いいんすか!!?」 「ああ、お前のギルド参加1周年もかねてだ。いい料理人になるんだぜ」 「団長・・・ハイっす!!」 目を開けるとテントの天井が見える。 「夢・・・・か・・・・」 起き上がると目の前に綺麗な女性がいた。エルフのようだ。 「だいじょうぶですか?道で倒れていたんですよ?」 私は囁くような声で言った。 「・・・・なぜ・・助けた・・・・」 「はい?そうだ、お腹空いてません?美味しいノブタのスープがありますよ?」 するとテントに男が入ってきた。 「アルナ、あいつらダメだ。お前教えてやってくれ」 「え~またですかぁ(;・∀・)教え方がヘタなんだからもうw あ、今目が覚めたみたいで、スープでもって思ってたんで、あとはヨロシクですw」 「ああ、わかった」 男はエルフと入れ替わり、私の前に腰を下ろした。 「やあ旅人さん。俺の名前はブラーニン。ルーン商人だ。 俺たちゃルーン石の商人旅団ってとこだな。お前さん、名前は?」 「・・・・クラマ・・・」 「そうか、なあクラマ。お前、死にたいんだろ?俺はそーゆーのすぐわかる人なのよ。 とりあえずさ、飯食ってから死んでくれ。せっかく作った料理が可愛そうだろ?」 12人からなる旅団員たちに囲まれて、食事をすることになった。 「どうクラマさん?美味しい?」 エルフが話しかけてきた。 「ええ・・・ただ・・ハーブが強すぎますね・・。もう少し減らして出汁を増やしたほうがいい」 「まあ、料理にお詳しいのねw」 「一応・・・・元コックなんで・・・」 「そうなの!?じゃあここで働いてくださらない?コックさんがいてくれたら最高!」 「・・・・・・・」 ブラーニンがこちらにきて話し始めた。 「なあクラマさん。占いって信じるか?」 突然の質問に戸惑った。 「は・・はぁ・・どうでしょう・・」 「まあいいや。俺があんたの未来を占ってやる。どうだ?タダでいいぜ?」 エルフが続けた。 「まあ!羨ましい!ブラーニンは世界最高のルーン占術師であり、ルーン石職人なのよ!」 「・・・ルーンって・・なんすか・・・?」 「ああ、ルーンってのはな、この世界の理を知る文字のことだな。 世界の始まりの時から存在し、未来に繋がっている文字。 使い方によっては魔法にもなるしお守りにもなる。まあ、便利な文字だな」 「はぁ・・」 「まあいい!占ってやる。お前の未来があるのかないのか。 お前の目で確かめろ」 「まあ!アストラル呪文ね!ステキ!!」 エルフが喜んでいる。 不思議な魔法陣を地面に描き、ブラーニンは呪文を唱え始めた。 「我は汝を知る者なり。汝、時の番人我らが守護者。無数の選択肢が横たわる未来の大河、 この者が歩くその道程を照らし、知遇をもたらせ。これぞ我が意思!」 すると、私は不思議な光に包まれた。 そして、まるで映画のようにいくつもの映像が、頭の中に映し出された。 知らない人たちと私は笑いあっていた。 見たこともない建物や、モンスター。 ”仲間”と呼び合う人々の顔が見えた。 私は、確かに、未来に”生きていた” 「あっはっはっは!どうだい?面白かっただろ?これが俺の占いだ。 直接見せたほうが信じやすいし、便利だろ?」 「・・・私は・・・・生きても・・いいんでしょうか・・・・・・」 ブラーニンは言う。 「生きちゃいけない命なんかねえよ。それよりも」 ブラーニンは笑顔でこう続けた。 「俺のために、うまい飯を作ってくれ。こいつら魔術は得意だが料理がよぉ・・」 「ちょwひどいわw」 エルフがポカポカとブラーニンを叩いている。 向こうのほうでは誰かが笛を吹き出した。 賑やかな食卓だ。 翌日、私は野草を探しに森へと足を運んでいた。 私は生きることにした。 私はコックだから。 私に料理を教えてくれた人を、裏切ることはできなかった。 「コックってのはな、笑顔を食わせるもんだ」 そうだよね団長。 私はあなたの弟子なのだから。 この人たちに、笑顔を食わせるよ、団長。 真っ白な雪が降り出した。 私は野草を積んでいる。 なぜか、涙が止まらなかった。 PR |
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