2024 11,23 03:26 |
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2012 03,09 15:58 |
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「よぉ兄ちゃん、金だしな~」
山道でひとりの男が10人の盗賊に囲まれている。 盗賊たちに比べると、身体も小さく、武器らしいものも持っていない。 「おうどうした兄ちゃん、口がきけないのか?んおぉん?」 「・・・・・」 「どうしたぁ?早く金を置いていきな~」 ふぅ・・・と小さなため息をついて、小さな男はこう言った。 「命が欲しければ、そのまま無言で立ち去るべきだ。 私にも好奇心がある。 新しい武器と戦術について、実践を以って確かめてみたい。 そのような考えを、責めることはできないだろう?」 「ふざ―」 小さな男は姿を消した。 「ど・・どこいきやがった!?」 すると声だけがその場から聞こえてきた。 「どこにも行っていない。なるほど。 光の屈折率を変えると、完全に消えることも出来る か」 小さな男は、右腕に埋め込まれたダイヤルを回した。 するとあたり一面に煙が立ち込める。 盗賊たちはゲホゲホと咳き込み始めた。 「煙幕に呼吸器系を刺激する成分を混ぜ込んでみた。 なるほど。動きを封じるには充分だな」 またダイヤルを回すと、煙幕は消え、小さな男の姿が見えた。 盗賊はのどを押さえながら、顔を赤くしてどなりちらした。 「てめえぶっころす!!」 走りこんできた盗賊に、綺麗なカウンターを決める形で、 盗賊の腹部に掌打が決まる。 「一式 渦潮」 すると盗賊の腹部を中心に空気が渦を巻き始め、 それが破裂すると盗賊は数十メートル先まで吹っ飛んでしまった。 「なるほど。これは使えるな」 更に盗賊は飛び掛ってきた。 小さな男は地面に手を突いた。 盗賊が大きなハンマーを振り下ろした、 が、またもや男の姿は消えていた。 「・・くっそ・・どこだ!?」 上空から声が聞こえる。 「なるほど。飛距離は平行も垂直も25mで安定か」 渦潮の衝撃を利用して、空中に飛び上がったようだ。 男はゆっくりと下降しながら、腕のダイヤルを回す。 「二式 雹」 すると男の腕から無数の雹が盗賊たちめがけて降り注いだ。 雹は盗賊たちを地面とつなぎ、その動きを封じた。 ストン と軽く地面に着地した男は、今度は右足についているダイヤルを回した。 「三式 風神」 男は無数に分身し、盗賊たちに数え切れないほどの蹴りを叩き込んだ。 盗賊は全滅した。 男は右腕をさすりながら、山道を進む。 「・・このスイッチは・・・なんだろう・・・・?」 好奇心のままに、男はスイッチを押した― とある国境付近の山で事件が起こった。 山の半分が消し飛んでしまっていたのだ。 その原因も、犯人もわからないまま、 地元では「天狗の仕業だ」「山神さまの怒りだ」と噂され、 半分になってしまったこの山を「天狗山」と名づけ、信仰の対象にしたという。 PR |
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